栃木県林業センター情報


 このページでは、研究成果をはじめ、関連する情報をお届けします。


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 第1回目は、平成20年度研究課題についてお知らせします。

 当場では、森林環境、自然環境、特用林産、林産の4部門について17の研究課題に取り組んでいます。
 その中で特用林産関係では、3つの研究課題を設定しています。

  「ワサビの栽培に関する研究」
  「自然活用型特用林産物の生産技術の開発」
  「ハタケシメジの実用的栽培技術に関する研究」




 県内のワサビ田では、今までの調査の結果からスジグロシロチョウの幼虫であるアオムシ、カブラハバチの幼虫であるクロムシ、コナガやメイガの幼虫による被害を確認しています。
 これらの害虫には、H14年度に農薬取締法の改正があり、沢ワサビについては農薬の使用ができなくなりました。
 
 このため、無農薬栽培による栽培技術の解明が強く要望されています。これまでの試験結果から、当場で考案した防虫ネットが害虫防除には大変効果があることが判明しました。

 今年度は試験期間の最終年度であるため、沢ワサビだけでなく畑ワサビについてもその防虫効果とワサビ苗の生育状況について調査を行い、安心してワサビ生産ができる防虫対策の検討資料としたいと考えています。



 本県のキノコ等の特用林産物は、全国でも有数の生産地ですが、その中核は家族経営型の中小規模生産者が担ってきました。

 しかし近年、大規模生産企業の参入や輸入増加によって、これらの経営は非常に厳しい状況にあります。

 

 こうした状況下から、大規模生産体系では実現できない、山間地域の森林資源や自然環境を活かした栽培技術の開発が求められています。
 このため、本研究では

  @安全で安心な特用林産物の提供
  A中小規模生産者が複合的に特用林産物を栽培することによる経営
   の安定化

を目標に、以下の大きく2つに分けた研究を行っています。

 なお、本研究は農林水産省の高度化事業の認定を受けた試験研究であり(独)森林総合研究所及び関東・中部の公立試験研究機関(12県、1大学)との共同研究に参画しています。

 @菌床シイタケに発生する害虫の生態的特性と防除技術に関する研究

  菌床シイタケでは、生産過程において幼虫がシイタケ本体に入り込
 んで包装パック内で成虫になったり、傘の部分に傷を付けたりして商
 品価値を損なう等の害虫被害があります。生産者からは、その害虫の
 実態と安全性の高い防除対策について強い要望があります。

  今年度は、これまでの試験結果から被害をもたらす主要な害虫はナ
 ガマドキノコバエであることが判明したため、その生態的特性を調査
 すると共に効果的な防除法について研究します。防除法としては

   成虫を誘引して集中捕殺できないか 
  2 
阻害成分に
より忌避効果が期待できないか
   天敵による防除ができないか
   物理的防除ができないか

 ということを試験していきたいと考えています。いずれにしろ、無農
 薬による防除法を解明し、安全で安心なシイタケが生産できることを
 目的としています。

 A自然栽培きのこの多品目安定生産技術に関する研究

  林床等自然環境を利用した特用林産栽培は、中小規模生産に適した
 方法ですが、収穫時期が短期間に集中してしまい、年間を通した安定
 的かつ持続的な収入を得ることができません。

  そこで、家族経営型の栽培に適する特用林産栽培品目を複合的に組
 み合わせ、長期に渡って安定的に収穫できる生産技術の開発を研究し
 ます。

   今年度は、キヌガサタケ、ハタケシメジ、エノキタケ、ムラサキシ
  メジ、タモギタケ、アラゲキクラゲ、畑ワサビの7品目について林内
  等の自然環境下での栽培試験を実施します。



 ハタケシメジは、H19に当場で2種の菌株を品種登録しましたが、その愛称も「とちぎのこ」に決定し、おいしいキノコとして一般にも認知され始めています。

 ただし、その生産過程においては、菌床製造段階における培地の粘性が高いことにより菌床製造に係る機械が作動しないといった問題や、空調栽培の場合、90%超の高湿度及び高い清浄度の確保が難しい施設では、子実体の不発生や雑菌被害が出るといった問題や
自然栽培では、子実体の発生時期

が限られたり、子実体に畑土が付着したり、連作障害が起こるといった問題等があります。

そこで、この問題を解決するための培地組成や子実体の生育管理方法を検討する必要があります。

 今年度は研究開始年度ですが、培地に新たな添加物を配合して、低粘性度の菌床が製造可能かどうか、また、湿度90%の空調施設内で子実体を発生させる生育管理手法について試験を実施します。


               栃木県林業センター 研究部
 
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