栃木県林業センター情報  (No5)

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舞茸


【マイタケって?】

 マイタケ・・・見つけたときに喜びで舞い踊ってしまうことからマイタケと名付けられたようです。一般的にもなじみの強いきのこですが、少し考え出すと非常におもしろいきのこです。

     
         写真‐1             写真‐2

「きのこ」と言われて、どんな形を想像するでしょうか?普通の人は、傘があって裏にはヒダがあって、真ん中に柄がついている、いわゆるシイタケやチチタケのような形を想像することかと思います。マイタケは「きのこ」と一般的に認識はされていますが、形は非常に特殊なものです。柄は一見無く、傘は花びらのようにたくさんあって、傘の裏にはヒダが無くて沢山の穴が開いている。何とも奇妙な形ではありませんか。きのこに詳しい方ならばご存じかもしれませんが、マイタケはサルノコシカケというキノコの仲間になります(写真-3はコフキサルノコシカケ)。

          
                  写真‐3


これらのキノコはヒダナシタケというグループに属していて、その名の通りヒダがなく、その代わりに管孔が開いている仲間達です。
そんなマイタケですが、野生のものはミズナラやブナ等の大木の根元に発生します。大きなものだと直径約50pを超えるようなものもあり、見つけたときには本当に舞い踊ってしまいます。しかし天然のマイタケは非常に見つけにくく、また数年は同じところから発生するため、発生場所を知っている人たちも決して教えてはくれません。野生品は栽培品と比べて味も香りも抜群によいと言われています。


【マイタケの人工栽培】

 マイタケの人工栽培の歴史は比較的浅く、近年の成果によるものです。現在知られているマイタケの人工栽培は、菌床栽培と殺菌原木(短木)栽培の2種類があります。先日林業センター内におきまして、マイタケの殺菌原木(短木)栽培の講習を行いました。今回はそのときの様子をあわせて、殺菌原木(短木)栽培の方法を紹介したいと思います。

               
                            写真‐4

【殺菌原木(短木)栽培】

 この栽培方法は、いわゆるシイタケなどの原木栽培と通常の菌床栽培の中間的な方法で、菌床栽培の培地であるおが粉を原木に置き換えた栽培方法です。主な栽培工程を図-1に示します。












 原木を玉切するところまではシイタケの原木栽培と同様ですが、玉切る長さは15p程度と短く切ります。原木の径も1015p程度が扱いやすいです。その後袋詰めの前日に浸水処理を行い、原木を一昼夜水に浸します。この浸水処理を行うことにより、マイタケ菌の活着・伸長が良好になり、殺菌効率を上げることが出来ます。浸水後、袋詰めをしますが、袋に穴が開かないように、原木の角のささくれなどをカッターナイフなどで面取りしてから袋に入れます。また、袋に原木を入れる際に、木口面におが粉を塗布しておくと菌の活着がよくなります。

         
                 写真‐5

 その後高圧殺菌釜を用いて120℃で1時間半程殺菌を行い、一晩放冷します。放冷後クリーンルームなどで植菌を行い、室温25℃湿度70%程度の部屋で3ヶ月間培養を行います。培養完了後、原木を袋から取り出して、排水・通風のよい比較的明るめな林内に埋設します。一つ一つの原木を密着させて埋め込むと、大株で収穫できることもあります。

         
                   写真‐6

 覆土は3-5pの厚さで土をかぶせ、上面に落ち葉をかけます。落ち葉をかけることにより、原木の保湿効果や、キノコが発生した時の雨滴などによる土噛みの軽減が期待できます。


          

 このように野外で栽培したマイタケは野性味あふれる風味になり、天然品に近い味になります。機能性食品としても優秀なマイタケ、今晩の食卓に並べてみてはいかがでしょうか?



【参考文献】

  衣川堅二郎/小川眞:きのこハンドブック,107-1142000


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